2015年10月19日号

(2015年10月12日~2015年10月16日)

先週の為替相場

一時、リスク警戒も限定的

13日発表の中国貿易収支(9月)において、輸入が大きく減少し、中国国内の需要減退の懸念が広がったことで、一時、世界的なリスク警戒の動きとなった。翌日14日の米小売売上高及び生産者物価指数が予想を下回る弱い数字となり、米国の年内利上げ期待が大きく後退したこともドル安円高要因に。これらを受けてドル円はサポートとされた118円50銭から119円ちょうどにかけての水準を割り込み、一時118円ちょうどに迫るところまで売り込まれた。もっとも、その翌日にはあっさりと119円台を回復するなど、下値にはしっかり感。先週から本格化した米企業決算がまずまずで米株に買いが入ったことなどがドル買い円売りを誘った。またリスク傾向の動きが後退し、対米ドル以外でもやや円売りの展開に。

今週の見通し

22日のECB理事会が今週最大の注目材料。政策金利のうち預金ファシリティ金利がマイナスとなるなど、金利を目一杯下げているECB。半年前から量的緩和にも踏み切っているが、ユーロ圏消費者物価指数(9月)は先週発表された改定値ベースでもマイナスとなるなど、ディスインフレ傾向が厳しく、追加緩和期待が強い。ただ、ドイツが追加緩和を強行に否定するなど、加盟国内では反対意見も強い。今回は現状を維持し、理事会後のドラギ総裁会見で可能性を示唆といったところか。追加緩和を実施した場合、一時的にユーロ売り。ユーロドルは1.12台、ユーロ円は133円半ばがターゲットに。その後、欧州株高から世界的な株価回復に至れば、ユーロ円は買い戻しも。

ドル円は30日の日銀金融政策決定会合を前に、動きにくさが指摘される。今週は、アルファベット(グーグル持株会社)を始め、GMやマイクロソフトなど米主要企業の決算が目白押し。16日発表のGEの好決算もあって、市場では楽観論が強く、予想以上に弱かった場合、米株売りからドル円の頭が抑えられる可能性も。この場合、先週下値を支えた118円ちょうど手前がポイントに。予想前後もしくはそれ以上の結果では基本的にレンジ取引が継続。短期筋の調整が入れば、120円台半ばを目指す展開も。

資源国通貨は基本的に堅調地合いを期待。20日に予定されているダドリーNY連銀総裁とパウエルFRB理事のNY市での講演において、これまでFRB要人が基本としてきた年内の利上げ実施姿勢に変化が見られると、米ドル売り資源国及び新興国通貨買いの流れも。発言内容次第となるが、豪ドル円は88円台半ばを試す可能性も。NZドル円は82円-83円にかけての中期的な上値抵抗水準を意識。

今週の注目指標

米住宅着工件数(9月)
10月20日21:30
☆☆
予想は114.2万件と、8月の112.6万件から小幅な増加。予想通りの数字が出ると、6ヶ月連続での100万件超えとなり、米住宅市場の堅調さが印象的に。リーマン・ショックの主要因ともなった米住宅市場の回復は、利上げに向けた今の米国の動きへの安心感にも繋がるだけに、予想通りもしくはそれ以上でドル買いの材料となる。もっともよほどの好結果ではない限り120円台を超えて買い上げるだけの材料とはなりにくそう。119円台でのサポート材料か。
ダドリーNY連銀総裁講演
10月20日22:00
☆☆☆
NY連銀総裁は金融政策の実行を担う重職で、FOMCでは副議長も兼ねている。ダドリー総裁は、比較的ハト派な姿勢で知られているが、このところはイエレン議長の発言に合わせて、年内利上げの基本姿勢を示してきた。しかしここに来て米国の雇用や個人消費に陰りが見えているため、利上げの見送りに向けて布石を打ってくる可能性も。利上げ見送り期待が強まると、ドル売りが優勢に。ドル円は118円台をトライする流れに。
カナダ中銀金融政策理事会
10月21日23:00
☆☆
カナダ中銀は今回の会合で現行の金融政策の維持を決める見込み。もっとも、不安定な原油市場の影響もあり、一部で利下げの期待も出ている。米国の早期利上げ期待が後退し、金利差縮小への懸念が後退した点も、利下げのハードルを下げる効果。もっとも、主力産業である自動車及び同部品関連は好調。原油安の動きも落ち着いており、今回の会合で慌てて下げなければいけないという見方は少ない。現行政策維持で91円台半ばから93円にかけてのレンジを意識。
ECB理事会
10月22日20:45
☆☆☆
エネルギー価格の下落もあって、ユーロ圏のディスインフレ傾向が強まっており、市場では早期の追加緩和を期待する声が強まってきた。ただ、今会合での実施はまだ時期尚早という意見も強い。見方が別れるだけに、緩和実施、据え置きどちらの結果であっても反応がありそう。金利据え置き、会見でも現行政策に自信となった場合は、ユーロ買いが強まり、ユーロ円は今月の高値を超えて137円台をつける可能性も。金利据え置き、会合で今後の可能性に含みという流れで、135円台を中心とした値動きの継続を期待。緩和実施の場合134円を割り込むユーロ安の可能性も。

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