2015年11月16日号

(2015年11月09日~2015年11月13日)

先週の為替相場

調整目立つ展開に

6日の米雇用統計で進んだドル高に対する調整が目立つ展開となった。12月の米利上げ期待は継続も、一気の上昇に対する警戒感が勝った格好に。週の半ばから利益確定の動きなどに押されて世界的に株安の動きが広がったことも、ドル円などの売りを誘った。

ユーロは対ドルでは買戻しも、対円やポンドで売りが目立つ展開に。12月の追加緩和期待が頭を抑えた格好に。ドラギ総裁がEU議会での議会証言でQE(資産買い入れ)の延長を示唆したことなどが材料に。さらにユーロ圏7-9月期GDPが弱めに出たことも、緩和期待を押し上げ、ユーロの重石となった。週末にはパリで同時多発テロが起き、さらにユーロ売りの材料となっている。ドル高への調整からユーロドルは1.06台から1.08台を回復も、再び1.06台をつけるなど、対ドルでも買戻しが一服となった。

10月の雇用統計が驚異的な好結果となった豪ドルは一気に買いが進んだ。12日の豪雇用統計は就業者数が予想の+1.5万人に対して+5.86万人の好結果。2000万人ちょっとしか人口がいない同国としては驚異的な数字となった。この結果を受けて豪州の追加緩和期待が一気に後退し、豪ドル買いを誘った。

今週の見通し

調整の動きを見極めながらとなるが、基調は米ドルの上昇と見られる。12月の米利上げ期待が広がっており、追加緩和が濃厚なユーロ、追加緩和期待のある日本などとの対照的な状況が材料となりそう。

ただ、週の初めは神経質な展開が続きそう。週末にパリで起こった同時多発テロの影響を見極める展開に。基本的には影響は限定的と見られるが、神経質な展開が続く可能性も。世界的な株安が予想以上に大きなものとなった場合、リスク回避の円買いを誘う可能性があるだけに、推移を見守りたい。122円台が維持されるようだと、反発も早そう。

先週からのドル高の調整ムードに、テロがらみのリスク警戒感が加わって、ドル円などに調整が入った後は、買戻しが期待される。ドル高基調を崩すだけの材料は無く、FOMC議事録や米要人発言などを経て、再び利上げへの期待感によるドル買いが優勢になると見られる。直近高値である123円台半ば超えの水準がターゲット。125円に向けて再びの上昇基調へ。

ユーロはテロの影響もあり頭の重い展開か。もともと追加緩和期待で頭を抑えられており、先週のドル高局面で対ドルで買い戻しきれないなど地合いが弱め。ドル高基調が復活すると、直近安値1.0675近辺を割り込み、1.05トライの流れに。対円でも頭が重くなりそうだが、ドル円が回復してくると、ドル円での円安との相殺で動きは限定的に。130円を維持する動きか。

今週の注目指標

日本7-9月期GDP
11月16日08:50
☆☆☆
中国の景気減速懸念から、元々2期連続での前期比マイナスの見通しとなる中、予想以上の弱い結果を見せた日本GDP。短期的にはドル円の売り材料となっているが、追加緩和期待や、補正予算期待から株価を押し上げてくると、中長期的には買戻しの材料となる可能性も。122円台維持で反発を期待。
米消費者物価指数(CPI)
11月17日22:30
☆☆
先週発表された米生産者物価指数(PPI)は予想を下回る弱いものとなった。今回のCPIも予想を下回り、ディスインフレ懸念が広がるようだと、12月の利上げ期待に水を差す可能性も。もっとも予想前後だと利上げ期待に安心感を与え、ドル買いに。この場合ユーロドルでの1.0675割れのきっかけとなる可能性も。
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録
11月19日04:00
☆☆☆
10月28日、29日のFOMCでは、次回12月FOMCで金利目標レンジの引き上げが適切かどうか協議することを表明。また、9月のFOMCでみられた「最近の世界の経済及び金融の状況が経済活動を抑制する可能性」との文言が削除されており、利上げにかなり前向きな声明という印象を受けた。議事録でこうした声明がどのような議論の下で出てきたのかに注目が集まる。利上げ期待がさらに広がるようだと、ドル円の123円台半ばに向けた動きを支えそう。
日銀金融政策決定会合
11月18日、19日
☆☆☆
今回の会合では政策の現状維持見通しが広がっている。ただ、ここに来ての日本の景気回復への失望感などから、早期の追加緩和への期待感も広がっている。一部では12月の追加緩和を期待する動きもあり、その場合、今回の会合で何らかのヒントが出てくるのではとの思惑がみられる。実際に12月の緩和を意識させるようだと全般的な円安に。ドル円も123円台半ばを超える可能性が高そう。

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