2015年11月24日号

(2015年11月16日~2015年11月20日)

先週の為替相場

ドル高基調継続も、FOMC議事録発表後は調整も

先週13日にパリで起こった同時多発テロの影響で週明けドル安円高が進行して始まった。もっとも、影響は限定的で、ドル円は122円台前半までの調整にとどまった。その後は18日NY市場午後の米FOMC議事録発表を意識したドル高円安の流れに。同時多発テロ後の円高進行がそれほど激しくならなかったことで、下値安定感が生じた面も。

議事録では「大半が利上げ条件は12月会合までに整うと予想」と示され、12月の利上げ期待を後押しする格好となった。これによりドル円は123円75銭近辺まで上昇。ユーロドルが1.0620近辺をつけるなどドルは全面高に。

もっとも、その後は調整が目立つ展開となった。12月の雇用統計まで大きなイベントが無く、少し一服感も。ドル円に関しては3連休を前にした調整も入った。

緩和期待の強いユーロに関しては、調整後再び下値を模索する展開に。20日にECBのドラギ総裁が「責務の範囲内で利用可能なすべてのツールを利用する。資産買い入れと中銀預金金利の調整は利用可能なツール」と発言。量的緩和と中銀預金金利マイナス幅拡大を同時に行ってくる可能性を示唆したものとして、ユーロ売りに。

今週の見通し

急速なドル高の進行に対する警戒感は見られるが、地合いはまだドル買い方向。米7-9月期GDP改定値などの材料に反応してくると、ドル円ももう一段の上昇が期待される。それ以上に値動きが期待されるのがユーロ。12月のECB理事会での追加緩和期待に関してはすでに織り込みが進んでいたが、先週末のドラギ総裁発言で予想以上に積極的な緩和になるとの思惑が広がっており、売りを誘っている。ユーロドルでのユーロ売りが基本であるが、ドル円が124円手前の売りに押されて頭を抑えられてくると、それ以上に動きが出そうなのがユーロ円。直近安値を割り込む動きとはなっているが、4月につけた126円からはまだ余裕があり、ユーロドルなどに比べて過熱感が低いことが、売りやすさにつながる面も。130円を日足の終値ベースで下回るような動きになると、売りが加速し、126/127円のビッグサポートを意識する展開も。

ドル円は124円手前の売りがまだ厚い。基調はドル高円安で変わらず、どこかのタイミングで上値をトライしてもおかしくないが、調整が先に強まる可能性も。とはいえ、買い遅れた層が122円台前半でしっかり待ち構えている。122円台はサポートされてきそう。

今週の注目指標

米7-9月期GDP改定値
11月24日22:30
☆☆
9月の米貿易収支は輸出が拡大する一方輸入が減少となり、貿易赤字の額は約7ヶ月ぶりの低水準となった。また在庫調整の落ち着きなども予想されており、GDP改定値は速報値よりも伸びが強まる見込み。予想以上もしくはそれ以上でドル買いに安心感。ドル円は125円を目指しての地ならしか。
米仏首脳会談
11月24日
☆☆
13日にパリで起きた同時多発テロを受けて、24日に米仏、26日に露仏の首脳会談が予定されている。ISへの対応などが協議されると見られる。強硬な意見が中心と見られるが、市場のリスク警戒感が予想以上に高まるようだと、ドル円、クロス円での円買い材料に。ユーロ円の130円割れがしっかりと示現されると、4月の安値126円ちょうど手前がポイントに。
日本全国消費者物価指数(CPI)(前年比)11月27日08:50
☆☆
GDPが二期連続での前期比マイナスとなり、規定上はリセッションに陥っている日本経済。さらに消費者物価指数のデフレ傾向が長引くようだと、日銀の追加緩和への期待感が膨らむ格好となる。生鮮を除くコア部分は前回9月分と同じく-0.1%とマイナスの見込み。予想通りもしくはそれ以上の物価低下が見られると要注意。追加緩和期待につながるため、基本は円売り。125円を目指すきっかけになる可能性も。
米ブラックフライデー
11月27日
☆☆
26日が米国の感謝祭。その翌日27日から米国のクリスマスセールが本格スタートする。この日は小売店が皆黒字になることから、ブラックフライデーと呼ばれている。米国のGDPの約7割を占め、経済の根幹を占める個人消費。小売売上高の約3割がクリスマスセールというお国柄から、個人消費動向を計るにあたって、この日はとても重要な日となっている。実際の売上げデータなどは、来週以降の集計であり、その際には30日のサイバーマンデー(オンラインショップのセール本格スタート日)と合わせて確認が必要。ただ、雰囲気はその日のうちにある程度市場に伝わり、相場に影響を与えてくると思われるため要注意。好調な売上げが意識されると、ドル買いの流れに。ユーロドルでの1.05割れに向けたきっかけとなるか。

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