2015年11月30日号

(2015年11月23日~2015年11月27日)

先週の為替相場

若干調整もドルに底堅さ

26日が米国の感謝祭で休場、27日のブラックフライデーは米国市場が一応開いていたものの、参加者が少なく、実質休場ムードとなった。市場は長期休暇を前にした調整ムードが強く、ドル円は一時122円20銭台まで値を落とす動きとなった。24日にトルコ軍がロシア軍機を撃墜したことで緊張が高まったことも、リスク警戒感からの円買いを誘った。もっとも、ドル円が122円台を維持したように、調整の動きは限定的。中長期的なドル高基調は継続したままとなった。

ユーロドルも米国市場の休み前の調整に一旦1.07台手前まで買い戻されたが、その後値を落とす動きに。25日にECB関係者の発言として、ECBが予想された資産買い入れ拡充だけでなく中銀預金金利引下げにも踏み切ると報じられ、一気に値を落とす場面も見られた。

また、ジリジリと値を落としたのがポンド。カーニー英中銀総裁などによる議会証言で、早期利上げに前向きな姿勢が見られず、市場の利上げ期待が後退。利上げ期待が強い米国との対比もあり、対ドルで売りが強まる展開となった。

今週の見通し

3日のECB理事会、4日の米雇用統計など、週の後半に重要イベントが控えており、週の前半はやや調整ムードとなりやすい。ただ、ECBは積極緩和期待によるユーロ売りドル買い期待、米雇用統計は好結果によるドル買い期待と、どちらもドル高に対する期待感に繋がっており、現行のドル高調整の動きは限定的か。

ドル円は先週の調整局面で122円が維持されており、下値しっかり感が強いことも大きい。週全半はもみ合いが予想されるが、どこかのタイミングで123円台後半から124円にかけての上値抵抗水準を試す可能性がありそう。ターゲットは125円近辺か。

よりドル高期待が強いのが欧州通貨。ユーロは1.05をしっかり割り込むと、パリティ(1ユーロ=1ドル)がより強く意識される。一日の終値ベースでしっかり割り込む動きを見せるかがポイントに。ECB理事会が大きな材料となるが、事前に期待感が広がるようだと、理事会を待たずに値を落とす可能性も。

ポンドも対ドルでの売り意欲が強い。比較的最近まで早期利上げ期待が強かった分、売り余力が残っている印象。ユーロの頭が重い分、戻りも限定的。1.5000をしっかり割り込み、4月につけた今年の安値1.45台を年内の動きで試す可能性も。

今週の注目指標

豪中銀(RBA)金融政策理事会
12月01日12:30
☆☆
一時は緩和期待の強かった豪州であるが、スティーブンスRBA総裁が先週、今後2年間の豪州経済を楽観視する発言を行うなど、RBA側は緩和に慎重な姿勢を崩していない。今回の会合で政策金利は現行2.00%で据え置きの見込み。理事会後の声明などで、強気な経済見通しを継続するようだと、今後の利下げ期待が更に後退し、豪ドル買いも。豪ドル円は89円台にまだ売りが残っているが、90円を目指す動きに向けたきっかけとなるか。
ECB理事会
12月03日21:45
☆☆☆
ECBは今回の理事会で積極的な追加緩和に踏み切ると期待されている。主要政策金利は0.05%で据え置き見通しも、現状ですでにマイナス圏にある中銀預金金利については、マイナス幅を拡大する見込み。これにより各金融機関の余剰金が市中に流れることが期待されている。また、資産買い入れについても拡充の見込み。金利、QE両面での緩和策にユーロは軟調地合いを強めそう。特に利上げが濃厚な対ドルでの反応が期待されている。1.05をしっかり割り込み、パリティ(1ユーロ=1ドル)に向けた動きが強まるか。
イエレンFRB議長上下両院経済合同委員会議会証言
12月04日00:00
☆☆
12月のFOMCでの利上げが意識される中、FRB要人の発言への注目度が高まっている。ブラックアウトルールによりFRB要人は12月8日から金融政策関連の発言はできないため、今週の要人発言への注目度は特に高い。そうした中、イエレン議長は2日にワシントンで講演会、3日(日本時間4日午前0時)には上下両院合同委員会で議会証言を行う。利上げにどこまで踏み込んだ発言が出てくるのかに注目が集まる。市場の期待通り前向きな発言があるとドル買いに。ユーロドルの1.05割れなど、ドル全面高の動きも。
米雇用統計
12月04日22:30
☆☆☆
利上げに関する議論が行われることが判明している12月15日、16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を前に、最大のポイントとなる今回の雇用統計。前回(10月分)は非農業部門雇用者数(NFP)が予想を遥かに超える前月比+27.1万人の好結果。失業率も5.0%まで低下と、かなり強い数字を記録した。今回はNFPが+20.0万人増、失業率は前回と変わらず5.0%の予想に。NFPは強すぎた感のある前回からの反動を含めた上で20万人の大台を維持するかなり強めの数字。失業率も5.0%は完全失業率の水準であり、こちらの維持も強めの数字。予想通りもしくはそれ以上の数字が出て来ると、利上げの確度がかなり高まり、ドル買いに繋がると期待される。ドル円はFOMCに向けて125円を意識する展開も予想される。

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