2016年12月26日号

(2016年12月19日~2016年12月23日)

先週の為替相場

調整目立つ展開

 クリスマスを前に、これまでのドル高に対する調整が目立つ展開となった。

 海外の取引参加者は週末にかけて休暇に入る流れとなり、全般的に取引量が減少。取引も新規の売り買いというよりも、既存ポジションの整理などが主体となった。

 週初はイエレンFRB議長が米国の雇用について力強さを強調する発言を行ったこともありドル買いが入る場面も見られたが、上値は限定的なものに留まった。

 19日、20日にかけて行われた日銀金融政策決定会合では、事前予想通り金融政策の現状維持を決定。会合後の黒田総裁の会見では「現状の円安水準は今年2月と同じ、驚くようなものではない」と円安の容認姿勢を示した上に、「日米金利差拡大が為替に一定の影響与える公算」と発言し、ドル円、クロス円が上昇する場面が見られたが、週の後半にかけて円安に対する調整が入った。

 イタリアの大手金融機関モンテパスキに対する懸念や、トルコや欧州各国で相次いだテロの影響でユーロ売りが入る場面も見られたが、ユーロドルの安値は1.0350近辺までに留まっている。ユーロ円での反応も限定的。

今週の見通し

 26日は日本などごくごく一部を除いて世界的にクリスマスの振替休日となっており休場。27日もロンドンなどがお休みで、クリスマス相場が開けるのは28日から。

 クリスマス明けは、直近目立った調整の動きが巻き返されるのかがポイントとなりそう。

 今週は目立った経済指標の発表予定や要人発言予定がなく、取引のきっかけがつかみにくい。ただ、ドル高円安の中長期的な流れは継続と見られているだけに、これまでの調整が落ち着くとドル円などは上昇トレンドに復すると期待される。

 来年1月20日のトランプ氏の大統領就任まで具体的な動きが出るわけではないが、トランポノミクスによる景気押上期待と財政赤字の拡大観測からのドル金利の上昇傾向は継続するとみられる。この流れは日本など一部を除いた世界的な金利上昇の流れになりそう。

 長短金利操作付き金融緩和を維持する日本との対象的な状況は外貨買い円売りの流れを呼ぶ。

 ドル円は来年にかけてもう一段の上昇が期待される。

 トランプ氏の経済政策への期待外れ感などが将来的にドル円の反落を誘う可能性はあるが、現時点では今後の政策運営は未知数であり、ドル買いを躊躇させる材料になる可能性はあっても、ドル売りの材料とはなりにくい。

 比較されることの多いレーガン大統領(用語説明1)時代のいわゆるレーガノミクス(用語説明2)にしても、当初の期待感が剥落し、ドル金利の上昇が収まったのが就任した年の9月。ドル円の高値のピークはそれよりも少し早いが8月のことで、政策に対する評価を下すにはある程度時間がかかることがわかる。

 当面は下がったところでは買いが入り、来年にかけて120円を意識する展開が予想される。

用語の解説

レーガン大統領 ロナルド・レーガン第40代大統領。1981年1月20日から1989年1月20日まで二期大統領を務めた。俳優出身で、その後第33代カリフォルニア州知事に就任(1967年1月から1975年1月まで)。1980年の大統領選では現職のカーター大統領を相手に選挙人数で489対49という圧倒的大差をつけて勝利した。トランプ次期大統領が選挙戦でスローガンとした「Make America Great Again」(米国を再び偉大な国に)は、もともとレーガン氏が80年の大統領選でスローガンとしたもの。当時の米国は高い失業率に代表される不況と高インフレのいわゆるスタグフレーション状況にあり、またイランアメリカ大使館人質事件の対応の失敗などから米国内に不満が高まる状況にあった。
レーガノミクス レーガン大統領によって進められた経済政策。当時スタグフレーション状態にあった米国経済に対して、社会保障費の縮小と軍事費の拡大による政府支出の拡大、大規模な減税、規制緩和などによる経済刺激策を推し進めた。また、金融政策面ではマネーサプライの伸びを抑制し、通貨高によってインフレ率の低下を誘った。
 こうした政策により景気の刺激に成功し、経済成長が進んだものの、財政赤字の拡大と貿易赤字の拡大といういわゆる双子の赤字を招くこととなった。

今週の注目指標

日本全国消費者物価指数(11月)
12月27日08:30
☆☆
 世界的に金利上昇傾向が見られる中、日本銀行は長短金利操作付き金融緩和政策を維持する姿勢を示している。その背景には上昇が鈍い日本の物価状況がある。今回の消費者物価指数では総合の数字が前年比+0.5%と、前回の+0.1%から大きく上昇も、注目度が高い生鮮食品を除くコアの数字は-0.3%と、前回の-0.4%から小幅な改善に留まっている。
 もっとも、円安傾向を受けて輸入物価の上昇などから物価上昇圧力が高まっているようだと、予想以上に高めの数字が出る可能性も。その場合、日銀の緩和政策が後退するとの思惑からドル売り円買いも。ドル円は116円を意識する展開に。
米コンファレンスボード消費者信頼感指数(12月)
12月28日00:00
☆☆
 米国の民間調査機関であるコンファレンスボードが消費者に対するアンケート調査を元に発表する消費者の景況感を指数化した指標。ミシガン大学消費者信頼感指数など同系統の指標に比べてアンケート対象者がかなり多いことから、信頼度が高いと見られている。予想は108.5と前回11月の107.1から上昇見込み。前回の数字自体が予想(101.2)を大きく超えた強いものであったが、今回はさらに改善の見込み。トランポノミクスへの期待感などから米国市民の景気への期待が強まっているとみられる。予想通りもしくはそれ以上でドル買いの材料。上を試すだけの勢いが出るかは微妙であるが、116円台半ばから117円にかけてのサポート水準を支え、上値トライへのきっかけになる可能性。
米中古住宅販売成約指数(11月)
12月29日00:00
☆☆
 中古住宅の売買契約が終了し、実際の引き渡しがまだ済んでいない物件に関する指数。販売保留指数などと呼ばれることもある。米国では売買契約から引き渡しまでに通常1ヶ月から2ヶ月程度かかる。中古住宅販売件数などは引き渡し時点での計測のため、同指標の先行指数として意識されている。22日午前0時に発表された11月の中古住宅販売件数は、予想を大きく上回る561万件と2007年2月以来の高水準を記録。今後の金利上昇を睨んだ駆け込み需要が意識された。先行指数である販売成約指数が好調を維持してくると、販売件数も当面は高水準が続くと予想される。今後の金利上昇が見込まれる中で、住宅投資への悪影響は大きな懸念材料となるだけに注目度が高い。予想は前月比+0.5%と、10月の+0.1%から伸びが強まる見込み。予想以上に伸びるようだとドル高を誘い、ドル円は118円台を意識しそう。

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