2018年01月15日号

(2018年01月08日~2018年01月12日)

先週の為替相場

ドル安基調が強まる展開

 8日からのドル円相場は、ドル全面安基調が広がる中で、ドル安円高の流れが優勢となった。

 株高、商品高、ユーロ高、円高などに対してドルが全面安という流れ。

 これまでの米ドルを支えてきた税制改革期待が、先月の法案成立で落ち着き、市場の注目が各国の金融引き締めの流れに。9日に日銀が買いオペ(用語説明1)を減額したことで、ステルス・テーパリング(用語説明2)ではないかとの思惑が広がり、円買いを誘った。

 12日には、今月の日銀金融政策決定会合で経済成長見通しが引き上げられるとの観測記事に反応して円買いが進んでおり、円買い材料への反応が大きい流れとなっている。

 米ドルは11日の生産者物価指数の弱さなどを受けて、ドル売りが強まった。今年の利上げ回数についての見通しが1回から3回の間で揺れる中、積極的な利上げペースへの期待が後退する形に。12日に発表された消費者物価指数は比較的強めのものとなり、いったんドルの買い戻しが入ったが、その後ドル安が強まるなど、ドル買い材料への反応は限定的に。

 ユーロ関連ではドイツの連立政権樹立の協議に関してCDU/CSUとLDPが基本合意。政治的な空白が終了する目途が立ったことなども、ユーロ買いの材料に。

 原油高の流れが継続し、NY原油が3年ぶりの高値圏となる64ドル台前半を付ける動きに。銅先物なども含め国際商品市場は堅調な地合いを続けた。もっとも、資源国通貨は利益確定の売りなども見られ、一本調子の動きにはならず、もみあいに。

今週の見通し

 ドル安基調継続。

 ドル買いの材料への反応が鈍く、頭の重い展開が続いている。

 世界的に金融引き締めの動きへの期待が強まる中で、すでに利上げサイクルに入っている米国は新規買いの勢いが見られず、ドル安基調が優勢に。

 110円の大台を割り込むと、もう一段の売りが出る可能性があり、下値リスクを意識する展開に。

 行き過ぎた動きに対する警戒感から値を戻す局面では、111円台半ばから112円にかけての水準を意識。同水準を上抜け出来ないと、下方向のトレンドが継続か。

 ターゲットは108円と見ている。

 ユーロドルやポンドドルなどでもドル売りが進行。ユーロドルは直近の高値を超えて、次のターゲットが絞りにくい状況。1.25を中期的なターゲットに、上値を意識する展開か。

 資源国通貨は先週いったん利益確定の動きが強まる場面が見られたが、基調はまだ上方向。NY原油先物価格の上昇が止まらず、その他国際商品市場も堅調で、豪ドルやカナダドルなどが買われやすい状況に。

 ただ、対円では円高の勢いが勝る可能性も。ドルカナダは5日の安値を割り込んで1.22台へのドル安カナダ高を意識も、カナダ円は円高状況次第。豪ドルも同様の状況で、対ドルで0.80台への上昇を意識も、対円では一時的に87円割れも。

用語の解説

買いオペ 買いオペとは日本銀行などの中央銀行が、市場から債券、CP、手形などの有価証券を購入し、市場に対して現金を放出することで、通貨の市場での流通量を増加する金融政策手段の一つ。通貨流通量が増えることで、金利を引き下げる効果がある。
ステルス・テーパリング 量的緩和政策を実施している中央銀行が、市場への告知なしに量的緩和の規模を縮小(テーパリング)すること。日本銀行は9日に実施した買いオペにおいて、残存10年超25年以下の国債の買い入れ額を前回までの2000億円から1900億円に減額。同25年超買い入れ額も前回までの900億円から800億円に減額したことで、ステルス・テーパリングではないかとの思惑が広がった。

今週の注目指標

英消費者物価指数(CPI)(12月)
1月16日 18:30
☆☆☆
 16日に英国の物価統計、消費者物価指数、生産者物価指数、小売物価指数など、一連の物価統計が発表される。中でも注目はインフレターゲットの対象である消費者物価指数。前回11月分は前年比+3.1%と、インフレターゲットの許容限界(2%上下1%)を超えて物価高が進行。英国の利上げ期待につながる展開が見られた。
 今回の予想は+3.0%と、0.1%ポイントながら鈍化し、許容上限内に収まる見込み。予想通りの数字が出てくると、ポンドの利上げ期待も一服し、いったんポンド高の調整が入る可能性がある。ポンド円は151円を目先のターゲットに値を落とす可能性も。
カナダ中銀政策金利
1月18日 00:00
☆☆☆
 住宅価格の上昇などを警戒し、昨年7月に約7年ぶりの利上げを実施したカナダ中銀。9月にも追加利上げを実施した後、直近2回の会合は据え置きに回った。10月分の消費者物価指数が前年比+1.4%にとどまるなど、物価情勢が冴えず、当初は今年中利上げを見送るのではとの見通しも見られた。しかし、先月21日に発表された11月分の消費者物価指数が前年比+2.1%と急速に上昇。5日に発表された雇用統計で、雇用者数が2か月連続で8万人弱の増加と、3千万人台の人口を考えると相当な強さを見せたことなども材料となり、今回の会合での利上げが見込まれている。もっとも、金利市場での織り込みは85%程度と、完全に織り込んでいるわけではない。専門家予想でも据え置き見通しが見られるなど、見通しが分かれる状況に。利上げを実施してくると、素直にカナダ買いか。カナダ円は90円台の回復が期待される。
豪雇用統計(12月)
1月18日 09:30
☆☆☆
 前回の11月分は雇用者数が予想を大きく上回る+6.16万人を記録し、豪ドル買いを誘う展開が見られた。正社員の雇用が+4.19万人と伸びており、労働参加率も10月分から一気に0.4%ポイントの上昇を示した。豪州は人口が2400万人程度、米国の1/13程度しかいないだけに、かなり驚異的な好結果となった。
 今回の予想は雇用者数+1.5万人。前回から伸びが鈍化も、前回のかなり強めの数字からさらに伸びるということで、予想通りもしくはそれ以上の数字が出てくると、豪ドルの買い材料となりそう。豪ドル円は90円を意識へ。

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