2018年08月06日号

(2018年07月30日~2018年08月03日)

先週の為替相場

ドル高円高の流れに

 7月30日からのドル円相場は、週の半ばに112円台まで上昇する展開となったものの、その後値を落とし、往って来いに。

 週の前半は円安基調が強く、ユーロ円が129円台前半から131円台まで上昇するなど、クロス円も上昇。ドル円でのドル高円安進行にもかかわらず、ユーロドルはユーロ高ドル安になるなど、ドル主導ではなく、円主導での展開が見られた。

 30日、31日の日銀金融政策決定会合で金融政策が柔軟化されるのではとの期待感が先々週後半の市場での円買いを誘ったが、実際の会合結果が出る前にいったん調整の動きが広がった。

 日銀会合では柔軟化が示されたものの、フォワードガイダンス(用語説明1)の導入や、これまで考えていたよりも長期間にわたって低金利政策を維持するとの黒田総裁発言などで、円売りが強まった。

 112円台まで上昇したドル円であったが、トランプ米大統領発言でドル安円高に。

 大統領は検討を指示している2000億ドル規模の中国製品に対する追加関税について、税率を当初案の10%から25%に引き上げることを計画と発表。これを受けてドル円は111円台前半へ。

 注目材料であった米連邦公開市場委員会(FOMC)は、経済状況の評価を引き上げるなど、一部で変化もおおむね想定内で影響は限定的に。

 週の後半にかけては米中通商摩擦問題への警戒感が続いたことや、日銀会合を受けて日本の長期金利が上昇したことなどを材料として、円高の動きが続いた。

 週の後半はユーロ売りの動きも優勢に。

 ユーロ円は131円台から128円台へ下落。ユーロドルは1.17台から1.15台へ。米中通商摩擦問題への警戒感は、リスク回避の円買いのほか、円以外の通貨に対してはドル買いの動きに。

  

今週の見通し

 今週は材料不足感が強い。

 目立った経済指標の発表が10日金曜日の米消費者物価指数(CPI)までない。

 先週末の米雇用統計はやや弱めも、利上げ期待を押し下げるほどの弱さではなかった。雇用の最大化と物価の安定というFRBの二大責務(用語説明2)の下で、利上げの鍵を握る物価統計ということで、米CPIに対する注目度は高いが、それまでは動きにくい展開に。

 豪・NZの金融政策発表なども控えているが、金融政策は現状維持見込みで、対象通貨に対する影響はともかく、他の通貨まで波及しての影響は期待薄。

 ドル円は111円台での推移を中心に、若干頭の重い展開に。トランプ大統領発言などに神経質になっており、上値でのドル買いに慎重姿勢がみられる分、もみ合いから下値トライの勢いが強まるリスクがありそう。

 もっとも、一気に下げる材料が出ているわけではなく、対円以外ではドル高の動きが継続していることもあり、基本はもみ合いに。111円台前半での推移を中心に、110円台半ばへの動きを警戒。

 欧州通貨は軟調地合い継続か。米経済の堅調な状況がユーロ売りを誘う流れに。

 対人民元でのドル買いも、ドル円ではリスク警戒の円買いと相殺されているが、対欧州通貨ではドル高での反応となっている。

 ユーロドルは1.15割れが視野に。

用語の解説

フォワードガイダンス 中央銀行が金融政策の将来(フォワード)の方向性を方針(ガイダンス)として示すこと。欧州中央銀行(ECB)が2013年7月の理事会から導入している。日本銀行も7月30日、31日の日銀金融政策決定会合で、強力な金融緩和継続のための枠組み強化として、声明の冒頭で導入を発表。「当分の間、現在のきわめて低い長短金利の水準を維持することを想定している」とのガイダンスを示した。
FRBの二大責務 連邦政府の雇用に対する責務を示した1946年の雇用法を基に、1977年の連邦準備改革法によって、FRBの責務として雇用の最大化と物価の安定(および穏やかな長期金利)が規定された。FRBの金融政策は基本的にこの責務を果たすことが目標とされるため、雇用市場が活発で、ほぼ完全雇用状態にある現状では、物価の安定(インフレターゲットであるPCEデフレータ前年比2.0%の長期的な達成)が金融政策を決める材料となる。

今週の注目指標

豪中銀政策金利
8月7日13:30
☆☆☆
 豪中銀は当面の金融政策の現状維持を示しており、現行の政策金利(OCRオフィシャルキャッシュレート)を現行の1.50%で据え置くことが確実視されている。市場の注目は声明の内容。最大の輸出先である中国の経済が米中通商摩擦問題で鈍化する懸念が広がる中で、どのような評価を示し、今後についてどのような姿勢を示してくるのかが注目される。慎重姿勢が目立つと、豪ドル売りに。豪ドル円は81円台半ばがターゲットに。
NZ中銀政策金利
8月9日06:00
☆☆☆
 NZ中銀は前回の発表文で政策金利が当面現行の1.75%にとどまるとの見通しを示した。そのため、政策金利発表自体は波乱要素がほとんどなく、市場の反応は限定的なものになりそう。注目は豪州同様に主要輸出先である中国の状況。貿易戦争激化で、今後の対中輸出が鈍る可能性があるだけに、今後の柔軟姿勢などが強調される可能性も。NZドル円は75円をしっかり割り込み、74円台前半を目指す展開も。
米消費者物価指数(CPI・7月)
8月10日21:30
☆☆☆
 米国のインフレターゲットの対象はPCEデフレータであるが、同系統の指標で、動向が似通るCPIの方が、発表がかなり早い(PCEデフレータの7月分は8月30日に発表予定)ため、市場での材料となりやすい。今回は前年比+2.9%と前回と同水準の物価上昇が見込まれている。予想を超えて3%の大台に乗せてくると、大台を付けるインパクトもあり、ドル買いにつながりそう。ドル円は112円台にしっかりと乗せる展開が期待される。

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