2019年04月22日号

(2019年04月15日~2019年04月19日)

先週の為替相場

ドル円はわずか41銭レンジ

 4月15日からの週は、主要通貨に方向性が見えず、狭いレンジでの取引が続く展開となった。ドル円は週のレンジがわずか41銭にとどまった。

 米中の景気回復期待などがドル円を支える中、3月6日に付けた今年の高値112円14銭をわずかながら上回る112円17銭を付ける場面が見られたが、上値トライはそこまで。

 もっとも、111円台後半ではドル買い円売りが入る流れが続き、押し目も限定的という展開に。

 15日の米NY連銀製造業景気指数(4月・用語説明1)、17日の米貿易収支(2月)、18日の米小売売上高(3月)など、米指標は好調なものが目立った。

また、17日の中国第1四半期GDP、鉱工業生産(3月)、小売売上高(3月)がいずれも力強い数字となった。

 世界のGDP第1位と第2位の国の景気に対する期待感が強まったことで、ドル円、クロス円などの基調はしっかりとなった。

 その他動きが目立ったのはNZドル。

 NZドルは17日に発表されたNZ第1四半期消費者物価指数が予想を下回ったことで、NZドル売りが一気に広がった。

物価上昇が第4四半期と同水準の伸びにとどまったことで、年内利下げ期待が広がる展開に。

 もっとも同日の中国指標の強さを受けて、いったんは買い戻しが入り、下げ分をほぼ解消する動きに。

 ただ、年内利下げ期待の高まりによる売り圧力はその後も継続し、週の後半にかけて頭の重い展開が続いた。

今週の見通し

 ドル高円安の基調は継続か。

 ドル円は動きが乏しく、オプション市場での短期ボラティリティ(期待変動率)が1週間物で3%台に落ち込むなど、今後の変動期待も小さい。

 基調は上方向。米中通商協議の進展期待が継続していること、2月ごろ落ち込みを見せた米景気の持ち直しが経済指標結果などから顕著となっており、景況感も改善する中で、今後への期待が強いことなどがドル円の支えに。

 112円台での買いには高値警戒感が見られるが、押し目は限定的なものにとどまっており、流れはまだ上方向。

 26日の米第1四半期GDP速報値などで米景気の底堅さを確認すると、ドル買いが強まる可能性も。

 112円20銭台へしっかり乗せてくるとレンジが切りあがるという印象。目先のターゲットは112円75銭近辺。中期的にはさらに上を期待。

 ポンドは政局懸念が強まっている。与党保守党内からのメイ首相に対する退陣要求が広がっている。今週は1922年委員会(用語説明2)のブレイディ委員長とメイ首相の会談が予定されており、退陣要求が強まる可能性も。EU離脱問題でリーダーシップを示せていないメイ首相であるが、市場からの信任はそれなりにあり、退陣した場合はいったんポンド売りが入る可能性。

 ポンド円は145円をしっかり割り込むと、3月に二度下値を支えた143円台後半をターゲットに値を落とす可能性も。

用語の解説

NY連銀製造業景気指数 米国に12ある地区連銀の一つで、金融政策の実務などを担当するNY地区連銀が、同連銀の管轄するNY州を中心とした第2地区内にある製造業約200社を対象にしたアンケート調査をもとに算出した景気指標。好悪判断の境目はゼロ。プラスで好況、マイナスで不況となる。
1922年委員会 英保守党議員委員会。保守党は結党後長い間現職議員による組織を持っていなかった。1922年に当選した議員を中心に組織が必要との声が上がり、1923年に同委員会が設立された。議員の意見などをまとめて党首に伝達する役目を持つ保守党の中でも最も重要とされる組織。

今週の注目指標

日銀展望レポート
4月25日
☆☆☆
 日本銀行は24日、25日に日本銀行金融政策決定会合を実施し、併せて日本銀行「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)を公表する。輸出や生産の鈍化傾向を背景に、2019年の経済成長見通しを下方修正してくる可能性が指摘されている。また、今回から公表される2021年度の物価見通しについて、目標である2.0%よりも低い1%台半ばから後半で示す可能性が高い。こうした状況は日銀の緩和政策の長期化を印象付け、円売りにつながる可能性。ドル円は112円台にしっかりと乗せてくる動きが期待される。
トルコ中銀政策金利
4月25日
☆☆☆
 トルコ中銀の金融政策理事会が25日に開かれ、日本時間同日20時に政策金利が発表される。主要政策金利である1週間物レポレートは現行の24.00%に据え置かれる見通し。3月末の統一地方選挙で現政権与党である公正発展党が苦戦したこともあり、エルドアン大統領は景気浮揚のための利下げ圧力を強めている。もっとも中銀は現行の物価上昇に対する警戒感やリラ安への警戒感から、先月後半から一時レポレートでの資金供給を停止し、より高い金利である翌日物貸出金利などを利用する形での引き締めを実施した経緯があり、当面は現状の引き締め姿勢を維持するとみられている。声明などでこうした姿勢を強調してくるとリラ買いの動きも。トルコリラ円は20円台回復に向けた動きを強める期待も。
米第1四半期GDP速報値
4月26日21:30
☆☆☆
 雇用統計、小売売上高などの米国の主要指標は2月分が総じて弱く、米景気の鈍化懸念が広がった。しかし、今月に入って発表された3月分の指標が軒並み改善を示しており、鈍化懸念が後退した状況。こうした中、1-3月期の米経済の動向を示すGDPの速報値が発表される。予想は前期比年率+2.2%と、前期と同水準。トランプ政権は前年比+3.0%を目標として掲げており、2019年のスタートとしてはやや物足りない水準に。予想前後の数字が出てくると、トランプ政権による利下げなどの緩和圧力が強まりドル売りにつながりそう。ドル円は111円台前半をターゲットになる可能性も。

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