2020年01月20日号

(2020年01月13日~2020年01月17日)

先週の為替相場

ドル高円安基調継続

 1月13日からの週は、ドル円が昨年5月以来となる110円台に乗せるなど、リスク選好からのドル買い円売りが強まる展開となった。

イラン情勢への懸念後退から、週明けからリスク選好の動きが優勢に。米中通商協議第一弾合意の調印式を前に14日に110円台に乗せると、ストップロス注文などを巻き込んで一気に110円21銭まで。その後いったん調整が入ったものの、109円台後半がしっかりとなっており、堅調地合いが印象的な展開となった。

 注目された米中通商協議第一弾合意の調印式は、予定通り15日に行われた。調印式で発表された合意内容は、事前報道通りでサプライズ感はなかったが、貿易戦争の一服感からドル円は堅調地合いが継続した。

 調整の動きは109円台後半まで。16日の海外市場で史上最高値を付ける米ダウ平均株価動向などを受けて110円台をしっかりと回復すると、17日東京市場で110円29銭までと高値を更新。その後は110円台を維持しての推移と、下値しっかり感がかなり強い展開となった。

 クロス円の買いもあって、ユーロは対ドルでも1.11台後半を付けるなど、買いが優勢になる場面が見られた。だが、米指標の好結果を受けたドル高の流れもあり、週末を前に1.11割れまで値を落とす展開に。

 ポンドは振幅。30日の英中銀金融政策会合(MPC)での利下げ期待が強まる中で、このところポンド売りの動きが目立っていた。しかし、リスク選好の流れの中で、ポンド円に買いが入ったことなどをきっかけに、ポンドドルも一時買い戻しの動きが優勢に、1.31台に乗せる場面が見られた。

 しかし、17日の英小売売上高の弱い数字を受けて一転してポンド売りが強まり、週末を前に1.30割れを付けるなど、先週の上昇分を打ち消してポンド安ドル高の流れに。

今週の見通し

 ドル円は堅調地合い継続。

 ドル円は上値トライを意識する展開に。15日の米中通商協議第一弾合意の調印式を受けて、米中貿易戦争に一服感が生じている状況がドルを支えている。ここにきて米経済指標が好調。米小売売上高の堅調な結果や、13年ぶりの高水準となった住宅着工件数の結果を受けて、米国の内需への期待感も強まっており、ドル買いに安心感が出ている。

 ドル高圏での買いには慎重姿勢も、下がったところでは買いが入る流れが続いており、流れは上方向。

 史上最高値を更新する米ダウ平均株価動向なども、ドル高円安に寄与する展開。市場全体にリスク選好ムードが広がっており、ドル円、クロス円の支えに。

 ドル円の目先のターゲットは110円台半ば。ここを超えてくる可能性も十分にあり、昨年の高値圏である112円40銭近辺を中期的に試すような動きも期待されるところに。

 ユーロ円、ポンド円などでも買いが出ているが、ユーロは対ドルでやや軟調。ユーロは今週のECB理事会などを前に、やや不安定な動きとなっており、ドル円ほど買いに安心感が見られない。今回の理事会でラガルド総裁は戦略検証(用語説明1)を行うとみられている。

 ポンドは30日の英金融政策会合(MPC)(用語説明2)での利下げ期待が広がっていることが重石となっている。年初時点では少数派であった利下げ見通しは、多くの参加者が利下げを織り込みにかかるほど期待感が広がっている。MPCでは前回まで9名中2名のメンバーが利下げを主張していた。今回はさらに1名が利下げに主張することを示唆、今回が任期中最後のMPCとなるカーニー総裁も利下げ主張に回る可能性を示しており、この場合、他のメンバーも追随する可能性が十分にありそう。

 ユーロ円は123円ちょうど手前の売りがやや気になるところ。ドル円での円安進行に勢いがつくようだと、123円を超えてくる可能性も。一方、121円台半ばをしっかり割り込むと、調整が強まりそう。

用語の解説

戦略検証 昨年11月にECBの新総裁に就任したラガルド氏は、これまでのECBの金融政策全体の戦略を見直す姿勢を以前から示している。現在2%をわずかに下回る水準とされている物価安定目標の変更の可能性などを含め、ECBの金融政策を根本から検証し見直していく作業を17年ぶりに開始することを今回の理事会で示すとみられている。
 物価安定についてだけでなく、気候変動の論点を加えるかどうか、デジタル通貨に対する取扱いについてなど、多岐にわたる分野での見直しが見込まれており、市場の注目を集めるものとなっている。
英中銀金融政策会合(MPC) 年8回行われる英国の金融政策を決定する会合。総裁、副総裁を含めた5名の内部委員と4名の外部委員で構成され、多数決で政策を決定する。総裁の提案ですら否決することがある(理論上は他の中銀でもありうるが、FOMCやECB理事会で議長提案が否決されたことはない)ことが特徴。また、予備会合を行い、結果発表と同時に議事要旨を公表することも特徴的。もともと今月末までとなっていたカーニー総裁の任期は、EU離脱期限が今月末となっており、離脱前後の英金融市場の混乱を回避するため、3月15日まで任期を延長したが、3月の会合は26日であるため、1月30日がカーニー総裁にとって最後のMPCであることには変わりはない。

今週の注目指標

ダボス会議
1月21日-24日
☆☆☆
 世界経済フォーラム(WEF・通称ダボス会議)が21日から24日までスイス東部ダボスで開催される。注目は2年ぶりに出席するトランプ米大統領。初日となる21日に演説が予定されている。米中通商協議第一弾の合意がなされた後をうけての今回の会議で、世界の通商問題についてどのようなコメントが出てくるのかなどが注目されている。米国からはムニューシン財務長官なども出席。黒田日銀総裁、ラガルドECB総裁、カーニー英中銀総裁などの中銀関係者、メルケル独首相、フォンデアライエン欧州委員会委員長などの政府関係者も出席予定。フォンデアライエン委員長とトランプ大統領の会談なども予定されている。保護主義的な姿勢が目立つトランプ大統領だが、米中合意を受けて柔軟な姿勢を示してくるようだとドル買い円売りの材料に。ドル円は110円台後半を意識する展開も。
カナダ中銀政策金利
1月23日0:00
☆☆☆
 2018年10月の利上げ以降政策金利の据え置きが続くカナダ中銀。今回の理事会でも据え置きが見込まれている。前回12月4日の理事会では世界経済安定化の兆候に言及するなど、前向き姿勢が見られた。ボロズ総裁は今月に入って米中通商問題の進展を背景に、貿易摩擦による経済の下振れリスクは低下と発言。さらに先週NAFTAに代わる新しい北米自由貿易協定であるUSMCAの修正案が米上院で可決され、成立に向かうなど、カナダをめぐる状況は改善してきている。もっとも、7日に発表されたカナダ商品貿易の数字が弱く、10-12月のカナダGDPは厳しいとの見方も広がっており、好悪材料が入り混じる状況に。声明が前回以上に前向きなものになると、カナダ買いの動きとなり、カナダ円は85円を意識も、逆に厳しいものとなる可能性も。
ECB理事会政策金利
1月23日21:45
☆☆☆
 ECB理事会が22日、23日に開催される。政策金利は現状維持の見通し。注目は声明と理事会後のラガルドECB総裁の会見。前回の理事会で17年ぶりの戦略検証を開始する意向を示した総裁。今回の会見で実際の検証開始を宣言すると期待されている。インフレ目標の見直しだけでなく、気候変動問題、デジタル通貨の問題など、多岐に渡る諸問題をどこまで検討していくのかなどの方針がどこまで示されるのかが注目されている。また、複数の加盟国から指摘されている緩和政策長期化の副作用問題などへの言及も注目ポイント。今後の利上げに向けた流れが意識されるようだとユーロ買いも。ユーロ円は123円台に向けた動きも期待されるところ。

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