2025年11月25日号

(2025年11月17日~2025年11月21日)

先週の為替相場

ドル高円安が優勢も週末にかけて調整の動き

 先週(11月17-21日)はドル高円安が進行した。11月12、13日のドル高円安局面で上値を抑えた1ドル=155円00銭前後を週明け17日に抜け、ドル高円安が継続した。19日の植田日銀総裁、片山財務相、城内経済財政相(用語説明1)の3者会談で為替について具体的な話がなかったと報じられると同日海外市場でドル高円安が加速。20日には今年1月以来のドル高圏となる157円89銭を付けた。週末にかけてポジション整理もあってドル売り円買いが優勢となり、156円20銭を付けた。

 週明け17日は14日終値154円55銭近くで落ち着いたスタート。東京市場午前には先週の安値だった154円42銭を付けた。海外市場に入ってユーロドル主導でドル高が進行。デギンドスECB副総裁が金融安定報告書で金融市場の調整リスクに言及したことなどがユーロ売りドル買いのきっかけとなった。ユーロドルは1ユーロ=1.1600ドルを割り込む動きとなった。ドル全面安の中でドル円は155円00銭前後の売りをこなして上昇し155円30銭を付けた。

 18日は日経平均株価が大引けにかけて1600円超の下げとなるなどリスク回避の動きが目立ち、ドル円は154円80銭台まで売られた。17日に節目の1ユーロ=180円00銭を超えたユーロ円は179円61銭を付けた。ユーロドルはドル全面安を受けて1.16台を回復した。その後海外市場に入って流れが反転し、円売りが強まった。高市首相と植田日銀総裁の会談を無風で通過したことなどもドル高円安の材料となった。

 19日にドル高円安が加速。植田日銀総裁、片山財務相、城内経済財政相の3者会談で為替についての具体的な話がなかったとの報道で、介入警戒感が後退し円売りが進み、ドル円は157円台を付けた。ユーロ円も181円00銭前後まで上昇。ドル円以外でもドル高が進んでおり、ユーロドルは1.15ドル台前半を付けた。NY市場午後のFOMC議事要旨(10月28、29日開催分)で12月の利下げに慎重な意見が目立ったこともドル高を誘った。

 20日に入って高市政権の新たな経済対策は 21兆3000億円程度で最終調整との報道で財政赤字懸念から円安が進行。ドル円は先週の高値となる157円78銭を付けている。ユーロ円が182円台を付けるなど、軒並み円安となった。もっとも高値を付けた後は動きが落ち着き、158円を超えるとドル売り介入のリスクが高まるとの思惑が上値を抑えた。

 21日は週末を前にポジション調整が広がった。ドル円は156円20銭前後を付け、ユーロ円は179円77銭を付けている。24日月曜日は勤労感謝の日の振り替え休日で東京市場が休場となることから、ポジション調整の動きが入りやすい面があった。

今週の見通し

 日米金利差を意識したドル高円安の流れがドル円を支えており、堅調地合いが継続。ただ、158円超えのドル高円安の進行は介入実施のリスクにつながるとの見方から、動きはかなり慎重になっている。

 12月のFOMCについて、19日公表の10月FOMC議事要旨に置いて利下げに慎重姿勢が目立ったことで、それまでの利下げと据え置きで見通しが拮抗する状況から、据え置き見通しが70%程度まで上昇するなど、据え置き期待が強まる場面が見られたことが一時のドル高円安につながった。しかし、その後のFOMC関係者発言で利下げに前向きな姿勢が目立つと、今週に入って見通しが逆転。直近では80%が利下げ、20%が据え置きとなっていることもドル円の重石となった。

 米労働省が10月のCPIを公表出来ないと発表。11月分の公表は12月18日に延期された。10月の米雇用統計も基本的に発表がなく、非農業部門雇用者数のみ11月分とまとめて発表。11月分の公表は12月5日から12月16日に延期されており、12月9日、10日のFOMCまでに主な指標が確認できない状況となり、相場のかく乱要因となっている。

 こうした中、ドル高円安基調の継続が意識される中で、動きはかなり神経質なものとなりそうだ。158円トライとなる可能性が十分にあるが、目先は調整の動きが優勢か。ただ155円台を維持する限り、中期的には上昇トレンドが継続するとみている。

 ユーロドルは1.14台でのユーロ売りには慎重な雰囲気だが、戻りは鈍い。26日に公表される英秋季予算案を受けて英景気の鈍化懸念や財政赤字懸念が広がり、ポンド売りが強まると、ユーロも対ドルで連れ安となる可能性がある。

 ユーロ円は182円台をいったん付けたことで上値一服感があるが、下がると買いが入る展開。179円00銭前後のサポートを維持すると、中期的な上昇トレンド継続とみている。

用語の解説

城内経済財政相 城内実内閣府特命大臣(経済財政政策、規制改革)。東京大学を卒業後、外務省に入り。2002年退官。2003年の衆院選では与党内の候補者調整の影響で無所属で出馬し当選。その後郵政民営化に反対して自民党の公認を得られず、2005年の選挙で落選。2009年の選挙で無所属として当選。2012年自民党復党。第1次、第2次石破内閣で経済安全保障大臣などを務め、2025年10月より現職。
デギンドスECB副総裁 ルイス・デギンドスECB副総裁。スペインのCUNEF大学を卒業後に民間企業に勤務し、スペイン経済相顧問などを歴任。リーマンブラザーズの欧州顧問などを経て、2011年から2018年3月までラホイ政権下で経済・競争力大臣を務めた(2016年からは産業大臣も兼任)。同年ECB副総裁に就任。

今週の注目指標

米生産者物価指数(PPI/9月) 11月25日22:30
☆☆
 25日に9月の米生産者物価指数(PPI)と米小売売上高が発表される。ともに本来10月16日に発表予定であった。米PPIに関してはすでに発表済みの9月米消費者物価指数(CPI)と同様にコア前年比の鈍化がみられるかが注目ポイント。CPIはエネルギー価格の上昇から総合は8月を超える伸びとなったものの、コアは8月から鈍化した。PPIでもエネルギー価格上昇によるコストの増加は全体の押し上げ要因とみられ、予想は前月比+0.3%、前年比+2.7%と8月の-0.1%、+2.6%を超える伸びが見込まれている。食品とエネルギーを除くコアは前月比+0.2%、前年比+2.7%で前月比は8月の-0.1%から伸びるものの前月比は8月の+2.6%を超える伸びが見込まれている。小売売上高は前月比+0.4%、自動車を除くコア前月比+0.4の予想で、8月の+0.6%、+0.7%から伸びが鈍化する見込み。ただ、9月は非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回っており、強めの数字となる可能性がある。
 ただ、いずれも9月の数字と少し古いデータであり、よほど予想からぶれない限り相場への影響は限定的となりそうだ。調整がやや優勢な局面だけに、予想を下回った場合のドル売りの影響がやや大きいとみられ、数字次第でドル円は155円台トライがありそう。
NZ中銀政策金利 11月26日10:00
☆☆
 ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は前回、大方の市場予想を超える0.50%の利下げを実施した。声明では追加利下げが示唆されており、今回の利下げもほぼ確実視されている。注目は声明で来年以降の利下げ継続を示唆してくるかどうか。次回は2月18日まで期間が空く。2月の利下げ見通しは40%程度と据え置きがやや優勢も見方が分かれている状況。今後の追加利下げに前向きな姿勢が示されると、2月の利下げ期待が過半数を超え、NZドル売りにつながるとみられる。NZドル円は86円台を試す展開が見込まれる。
米ブラックフライデーの消費動向 11月28日
☆☆☆
 27日は米国の感謝祭。28日が米国の年末セール初日となる。小売店が最も忙しい日といわれる28日の消費動向は、米景気の鈍化から財布のひもが固くなっているといわれる米家計の状況を確認するものとして注目される。米GDPの約7割が個人消費となるだけに、セール期間中の売り上げが厳しいようだと、米景気の鈍化が本格化する可能性がある。米メディアなどの報道によってはドル売りの流れが強まる可能性がありそう。ドル円は155円台に向けた動きが見込まれる。

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