2026年01月13日号

(2026年01月05日~2026年01月09日)

先週の為替相場

週後半にかけて円安進行

 先週(1月5日-9日)のドル円は、週後半にかけて円安が優勢となった。週明け5日はオセアニア市場で1ドル=156円66銭を付けたところを底に、ドルが一時全面高となり、ドル円は157円30銭まで上昇。年明け2日の市場で上値を抑えていた157円00銭前後をあっさり超える展開となった。高市政権での積極財政路線による財政赤字拡大を警戒した円売りなども見られた。その後海外市場で一転して円高となった。米長期債利回りの低下などがきっかけとなった。欧州株安も重しとなってユーロは対ドル、対円ともに売られ、ユーロ円は東京市場での1ユーロ=184円06銭から182円86銭まで下落した。米ダウ平均株価が史上最高値を更新するなど、リスク選好の動きが見られたことから、ドル円が反発する場面も見られたが、米ISM製造業景気指数が予想を下回ったこともあり、ドル売りの流れが根強く156円12銭を付けた。

 6日のドル円は156円台での推移が続いた。7日の米ADP全米雇用レポート、米雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米ISM非製造業景気指数、9日の米雇用統計といった重要指標の発表をにらみ、やや様子見ムード。ロンドン市場朝に付けた安値は156円17銭までにとどまり、5日の安値に届かず。高値も156円79銭までとなった。

 7日に入ってもドル円は156円台での推移が続いた。米主要指標はADPがまずまず、米JOLTS求人件数が予想を大きく下回る弱さ、米ISM非製造業景気指数が予想を大きく超える強さとまちまち。5日の米ISM製造業が弱かったことで、数字の悪化が警戒されていた米ISM非製造業が強く出たことがサプライズとなり、ややドル買いが優勢となったが、6日の高値をわずかに更新する156円80銭までのドル高にとどまった。

 8日朝に厚生労働省が発表した11月の毎月勤労統計調査(用語説明1)で実質賃金が-2.8%と11か月連続でマイナスとなったことを嫌気した円売りから156円95銭を付けたが、157円00銭手前のドル売り注文に上値を抑えられ、156円46銭まで下落。同日発表の10月の米貿易収支が赤字拡大予想に反して、赤字が大幅に減少。同じ時間に発表された12月28日から1月3日の週の米新規失業保険申請件数が予想を下回る好結果となったこともあり、ドル円は157円台を回復するところまでドル高となった。ユーロドルが5日の安値1ユーロ=1.1659ドルを下回る1.1643ドルを付けるなど、ドルはほぼ全面高となった。

 9日は、7日の米ISM非製造業の好結果などを受けて、22時半の12月米雇用統計が強めの数字になるとの思惑が広がり、朝からドル高円安が優勢となった。米ISMは製造業が弱く、非製造業が強いという結果であったが、米国の民間雇用は約84%がサービス業(用語説明2)であることから、今回の雇用統計は強めになるとの予想につながったとみられる。

 157円70銭台まで上昇した後、少し落として157円50銭台で発表を迎えた12月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比+5.0万人と、市場予想の+7万人前後を下回った上、11月の数字が下方修正されたこともあり、発表直後に157円30銭台までドル売りとなった。ただ失業率が11月の4.6%から4.4%に改善されており、早期の追加利下げは必要ないとの見方が広がる形で安値から反発。さらに、高市首相が衆議院の早期解散を検討との報道が出たことで円売りが強まり、158円18銭まで円安が広がった。自民党が各種世論調査通り勝利した場合、追加利上げが遠のくとの思惑もあり、円はほぼ全面安。ユーロ円が183円96銭、ポンド円が212円07銭を付けるなど、クロス円も軒並みの上昇となった。

今週の見通し

 高市首相が1月23日召集の通常国会冒頭での衆議院解散を検討しているとの報道を受け、マーケットでは「選挙後の積極財政継続」を織り込む動きが強まっている。高市政権の高い支持率(70%超)を背景に、自民党の勝利が確実視されるようであれば、株高を通じたリスク選好の円売りが加速しやすい。また、財政赤字の拡大懸念も相まって、ファンダメンタルズ面からは円安が正当化されやすい地合いが続く。

 ドル円は158円台に乗せており、160円の大台を前に日本の通貨当局による円買い介入への警戒感が最大級に高まっている。片山財務相は13日、ベッセント米財務長官に対して一方的な円安への憂慮を伝達したことを明らかにした。先月の「断固とした措置」発言に加え、米財務長官との認識共有がなされたことで、口先介入から実弾介入へ移行する準備は整ったと判断される。

 短期的には160円を目指す強い上昇トレンドにある。ただし、158円台後半からはレートチェックや実弾介入による1〜3円規模の急落リスクを常に孕む展開となる。介入が入った場合でも、日米金利差や国内の政治情勢(積極財政期待)が円安を支持しているため、安値圏では再び買いが入りやすい。

 クロス円も円安主導で上値を追う展開である。ユーロ円は13日に史上初となる185円台に到達した。185円台定着となれば、次のターゲットは187円となる。

 円安主導で動いており、ユーロドルは1.16台中心の推移となりそう。

用語の解説

毎月勤労統計調査 厚生労働省が実施する、雇用、給与及び労働時間について、全国調査にあってはその全国的変動を毎月明らかにすることを、地方調査にあってはその都道府県別の変動を毎月明らかにすることを目的とした調査。毎月末時点が対象となる。
約84%がサービス業 米国の非農業部門雇用者数は、最新2025年12月時点で1億5952万6千人。うち民間雇用は1億3611万5千人。内訳は鉱業・建設業・製造業などの財部門が15.9%に当たる2160万3千人、サービス業が84.1%に当たる1億1451万2千人となっている。

今週の注目指標

米消費者物価指数(12月)
1月13日22:30
☆☆☆
 米連邦政府機関の閉鎖(2025年10月1日〜11月12日)の影響により、10月分の米消費者物価指数(CPI)は未発表となり、12月18日に発表された前回11月分については前月比の公表がなかった。前年比は+2.7%となり、9月の+3.0%から大きく鈍化。市場予想は+3.1%への伸び加速であった。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+2.6%。9月は+3.0%であり、市場予想は+3.0%の横ばいとなっていた。
 前回に関しては、2024年7月から12月にかけてのガソリン価格低下によるベース効果により、ガソリンおよびエネルギー価格全般が上昇し、全体を押し上げた。一方、鳥インフルエンザなどの影響で2025年3月に前年比60%超の上昇を記録した卵の価格が、-13.2%と大幅に低下した。これにより食品価格全体の伸び鈍化が見られた。コア項目では、財部門が衣料品や医薬品の上昇もあり、前年比+1.4%と9月の+1.5%から小幅な鈍化にとどまった。一方、サービス価格は前年比+3.0%と9月の+3.5%から一気に鈍化した。CPI全体の36%と3分の1以上を占める最大項目である住居費が、9月の+3.6%から+3.0%へ急減速。2021年8月以来の低い伸びとなり、全体を押し下げている。
 今回の予想は前年比+2.7%と前回から横ばいとなっている。コア前年比は+2.7%の予想で、前回から小幅に伸びが加速する見込みである。2025年11月から12月にかけてガソリン価格が低下しており、全体を押し下げることが期待される。また、農務省が1月2日に発表した「卵市場概況(Egg Market Overview)」によると、卵価格の下落は12月も続いており、食品価格の低下傾向も維持される見通しである。もっとも、前回急落した航空運賃やホテル宿泊費の反動増が想定されるため、全体をならすと前回並みの水準にとどまると見られる。なお、今回から公表が再開される前月比は、総合・コアともに+0.3%が予想されている。
米小売売上高(11月)
1月14日22:30
☆☆
 小売売上高は10月が前月比横ばいとなり、市場予想の+0.1%を下回った。ただ、これは電気自動車(EV)に対する連邦税制優遇措置が9月末で失効したことを受けた、自動車および同部品部門の売り上げ低下(前月比-1.6%)が響いており、自動車を除くと+0.4%となっている。
 11月は総合、コアともに+0.4%が見込まれている。全米小売業協会(NRF)が発表した年末商戦開始5日間(感謝祭から翌週月曜日まで)の買い物客数は、実店舗とオンラインの合計で2億290万人に達し、過去最多を記録した。NRFは年末商戦期間の売上高が史上初めて1兆ドルを超えるとの見通しを示すなど、米国の家計の消費意欲は依然として堅調である。そのため、11月の小売売上高も堅実な数字を維持するとみられる。ただ、米調査会社の消費者調査では、物価高が実際の購買行動に影響を与えていることも示唆されており、結果が予想ほど強い数字にならなかった場合には注意が必要である。
 同時刻に11月の米生産者物価指数(PPI)も発表される。13日に12月の米CPIが発表されていることもあり(12月の米PPIは1月30日発表)、予想から大きく乖離がない限り、市場の反応は限定的と見込まれる。
米ウィリアムズNY連銀総裁発言など
1月15日04:10
☆☆☆
 1月17日(土)より今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)前のブラックアウト期間に入ることもあり、今週はFRB理事や地区連銀総裁の発言予定が並んでいる。注目度が高いのは、FOMCの副委員長を兼ねるウィリアムズNY連銀総裁、今年の投票権を有するカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、そして昨年7月に就任したポールソン・フィラデルフィア連銀総裁などである。米雇用の堅調さもあり早期利下げ期待が後退する中、ポールソン総裁を含む当局者が今後の金融政策についてどのような姿勢を示すかが焦点となる。また、米司法省によるパウエルFRB議長への召喚状送付に関するコメントにも注目が集まっている。

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